Carpenters / Passage (1977)
私の1曲:⑧「CallingOccupantsOfInterplanetaryCraft」
◆8作目、彼らのキャリアの中で唯一ほかと馴染まない作品です。MichaelFranks作のA.O.R.①、カントリーの⑤、LeeRitenourとJayGraydonが参加して流麗な⑥、ガチャガチャしたジャグが冗長な⑦。とどめに、3分間ポップスの最高峰Carpentersがミュージカルからの④と、プログレのカヴァー⑧。それぞれ8分、7分あります。彼ららしい②もここに入っては浮くばかりで、違和感がないのは同傾向のポップスが2曲続く③「IJustFallInLoveAgain」くらいでしょうか。これは隠れた名曲です。どこからでも発掘されるCarpentersクラシック、不評の本作であってもアルバム単位で聴きたいです。
◆ただ私が本作で一番好きなのは⑧「CallingOccupants~」です。カナダのプログレバンドKlaatuのデビュー作からのカヴァーなのですが、原曲をほとんど変えずにそれでいて完璧なCarpenters'サウンド。カレンの声、TonyPelusoのギターソロ、このアルバムの最後の最後で聴けるカレンとリチャードのコーラス。これまでと何も変わらないCarpentersが聴けます。
◆大震災から2週間が経った日本では、次なる苦しみが襲っています。いつ終わるともつかぬ避難所生活。足りない物資と周囲との軋轢。その後の生活の不安。原発は沈静せず、錯綜する情報が近隣の生活を奪い、不安・混乱は日本中に拡大しつつあります。生じた不信感が波のように日本に押し寄せているようです。
◆ラジオのリクエスト番組に突如宇宙人が交信してくるというこの曲で、カレンは抗戦ではなく、"WeAreYourFriends"と語りかけます。カレンが摂食障害で亡くなってもう27年。'70年代、疲弊するアメリカが彼らに"古き良きアメリカ"を求め、それが彼女を殺したのだとも言われています。それでも、私は今こそカレンの歌声が日本を救ってくれる事を願います。そうして、自分を日本を取り戻さねばならないのだと思います。
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